世間的に介護士の離職理由は「仕事がキツイから」「給料が安いから」と思われがちですが、実はそれ以上に人間関係が理由で退職する方が多いってご存知ですか?
つまり、仕事がキツくても給料が安くても、人間関係が良ければ離職を減らせられる可能性があるということです。
こんな風になっていませんか。
もっと利用者さんの方を向いて仕事したいのに全然させてもらえないの!
こんな施設だと自分の成長に繋がらないし、仕事してても全然楽しくないのよ。
そして、残された選択肢は『退職』という二文字。
≫介護おすすめ転職エージェント厳選3社!【特徴と口コミもご紹介】
私達がやるべき事は、限られた時間の中で最高のパフォーマンスを利用者さんにして差し上げること。
そのためには人間関係を良好に保つことは大切なことです。
スタッフ同士が良好な関係性の中(仲良しこよしという意味ではないです)で仕事ができればスタッフはそうそう辞めませんし、ケアも素晴らしいくらい展開されていきますよ。
こちらの記事では、『自施設で行っている人間関係を良好に保つために行っていること』についてまとめています。
現場の人手不足で悩んでいる方、これから介護現場で働きたいと思っている方、近々転職を考えている方は参考にしてみてください。
介護士の離職理由【2017年〜2020年】
上記の表は、介護労働実態調査を基に2017年から2020年にかけての介護士の離職理由を示しています。
近年は「結婚・出産・妊娠・育児」と「職場の人間関係」が離職理由の上位を独占していますが、一方で「収入が少ない」や「将来の見込みが立たない」という理由は、3位と4位という結果に落ち着いています。
これを見ても分かるように、収入が少ない事よりも「職場の人間関係の良さ」を働く場所に求めている介護士さんが多いという事が分かると思います。
わたしの勤め先の施設では、今年度3名(常勤1名、非常勤2名)の方が退職しました。
常勤…(収入が少ない)
非常勤…(2名とも定年退職)
人間関係が良いので人手不足をあまり気にせず仕事ができていますよ。
職場の人間関係を良好に保つためには?
どうすればいいんだろう?
私の職場は人間関係があまり良くなくて困っているのよ。
皆さんの施設では何か工夫している事があるのかしら?
職員とは言え、人対人ですから合う合わないがあること自体は普通のことだと思っています。
したがって、人間関係を良好に保つためには法人として組織として意図的に取り組むことが必要だと考えています。
参考になるかどうか分かりませんが、わたしが勤める施設の例をちょこっと挙げてみるとこうです。
ケアの質を維持するためには人を選んで当たり前という考え!
皆さんの施設ではいかがですか。
人手不足を理由に「来るもの拒まず」で採用活動していませんか。
ちなみに、わたしの勤め先では!
来るもの拒まずで採用活動をすることで結局困るのは、利用者さんと共に働く現場の職員たち!
そして、人間関係が悪化してサービス力が落ちれば施設の信用にもつながってしまいますからね。
私は中途採用者の面接では特に厳しく人選しています。
皆が皆ではないですが、中には変に染まって出来上がっている人がいますから(笑)
逆に未経験者さんは真っ白な状態から教えられるので大歓迎ですよ。
良いところこそ声に出して褒めるという考え!
誰でも褒められると嬉しいものです。
でも実際はどうですか?
よく頑張る人ほど、相手のダメなところばかりに目がいきがちだったりしませんか。
例えば・・・
私はこんなに頑張っているのに、あの人は・・・
仕事が遅いし、整理整頓ができないし、仕事のやり残しも多いし!
次第にイライラが増していき、話をするのも嫌になり、気がつけば挨拶すら交わさなくなってしまう。
こんな状態で利用者さんに行き届いたケアなんてできませんよね。
日頃から相手の良いところを見つけて褒める。
自分のことをよく思っていない職員がいれば尚更、その職員の良いところを探して声に出して褒めてみてください。きっとあなたへの見方・接し方を変えてくれるはずです。
人は褒められると変わる単純な生き物です。
そして、褒められるから相手はあなたの話を聞く準備をしてくれるのです。
言葉に出して言えないという方のために、「thanksカード」の取り組みもおすすめですよ。
困ったときはお互い様!助けるから助けてもらえるという考え!
困った時に助けれもらえると嬉しいですよね。
そして、自分も相手が困った時には助けてあげたいという心理が働きますよね。
つまり、give and take!てことかしら。
助けて欲しければ自分から助ける!
与えるから与えてもらえるという考え方ですね。
人は受けた恩を返そうとしますから、多少人手が不足しても自ら助けに入ろうとするのです。
私の職場ではこれが日常ですからとても働きやすいですよ。
良い行動・悪い行動に先輩も後輩も関係なしという考え!
利用者さんへの言葉遣いや接し方、これで良いのかしら。
新人は特に新しい職場に来て不安だらけです。
自分の行動が正しいのか正しくないのかすら分からず不安になっています。
些細なことでも褒めてあげること。
そして、新人の行動をもお手本とし、先輩後輩関係なしで認め合える雰囲気作りって大切ですよね!
誰しも良いところとダメなところを持っていて、それを認めた上で先輩・後輩関係なく素晴らしい行動は皆の前で褒め、ダメな行動に対しては根拠を持って場所を変えて指導する。
いつも新人さんから大切なことを再確認させてもらっています。
新人だから仕事ができないわけではないし、先輩だから仕事ができるというわけでもないですよ。
皆で認め合って頑張っていきましょう!
介護士の離職は上司の行動にも原因が!
上司が全然動いてくれないの。
現場の人間関係が悪いと知っておきながら、それを見て見ぬ振りする上司。
いざという時に頼りにならない上司がいる施設で働いている介護士さんは大変ですね。
人手不足になって当然て思っちゃいます。
職員の人間関係の悪さで、逆に利用者さんに気を使わせたらいけませんよね。
利用者さんは職員同士のやり取りをよく観察していますよ。
上司の方は職員の行動をよく見て、異常な状態が目の前で起これば見て見ぬ振りをせず、正常な状態に戻していく。
その姿勢を部下たちは見ていますから。
人間関係が悪い職場では、情報共有がうまく働きません。
ケアの方向性が日によって職員によってバラバラになってしまいます。
利用者さんが求めていることをチームとしてやり抜くためには、人間関係を良好な状態で保ち続ける仕組みと上司の覚悟が大切です。
職場の人間関係が辛くて悩んでいる介護士さんへ
もう私、ここの職場では無理かも・・・
人の悪口ばかり聞いてると嫌な気分になるのよね。
≫介護職の退職は何ヶ月前に伝える?職場が困らないベストなタイミングとは?
介護現場でタメ口が超危険な理由でも書きましたが、辛い思いをしている自分に我慢する必要はないですよ。
本当に耐えられないと感じたら、迷わず上司に相談してみてくださいね。
きっとあなたの悩みを聞いてくれるはずです。
でも中には部下の悩みを適当にあしらう上司もいるみたいですが!
そういう施設だと希望が持てないですよね。
人間関係に悩まされず、楽しく働ける職場は沢山ありますよ!
あなたが気を使うべき対象は、そもそも職員ではなく利用者さんですから。
≫介護おすすめ転職エージェント厳選3社!【特徴と口コミもご紹介】
介護士の離職理由に注目!『人間関係』改善で人手不足を解消しよう【まとめ】
介護士の離職理由として毎年上位にくるのが『職場の人間関係』です。
冒頭でも書いたように、職場の人間関係が良ければ離職を減らせる可能性があります。
人手不足がなぜ起こっているのか。
もしかすると人間関係が原因かもしれませんね。
あなたの施設は人の悪口が横行していませんか。
放置しているとますます人手不足が進んでいくかもしれませんよ。
組織として働きやすい環境を整え、有能な人材が去ってしまわないように努めていきましょう。
人と人との巡り合わせで、職員は良くも悪くも育っていくものですから。